細胞が低酸素の状態に適応しようとする「低酸素応答」のメカニズムを解明した3人の研究者（セメンザ博士、ケリーン博士、ラトクリフ博士）にノーベル医学賞が贈られました。

生命維持に重要な働きがあるけれど、詳しい仕組みがわかっていなかった「低酸素応答」について、セメンザ博士は、1990年代に細胞の酸素が不足すると、エリスロポエチンを増やすための情報を伝えるタンパク質「低酸素誘導因子（HIF）」を発見し、ケリーン博士とラトクリフ博士が酸素濃度に応じてそのHIFを調節するタンパク質を発見しました。

この3氏の発見により、生命活動の極めて基本的なプロセスの背後にある構造が明らかになっただけでなく、「低酸素環境」が、貧血や癌など多くの病気の治療法や治療薬の開発につながる期待が持たれるようになりました。（朝日新聞記事より）